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概要

山上は平地に比べて風が強く、阿蘇の中岳では最大瞬間風速が10m/s以上の日が年間167日、15m/s以上の日が38日となっています。
昭和29年(1954)の台風12号は9月13日に鹿児島県に上陸し、熊本県の中央部を北上したが、その時、阿蘇の中岳で南西の風27.5m/s、最大瞬間風速36.3m/sの熊本県内での最大瞬間風速を記録しました。
また、カルデラという特殊な地形による局地的な強い風も吹き、カルデラ西側の外輪山の切れめ立野火口瀬では「まつぼり風」と呼ばれている強い局地風が吹くことがあります。
中央火口丘の山上は植生乏しく禿山同然で、夜間には放射によって地肌がよく冷え、その冷えた地肌に冷やされて比重を増した冷気はカルデラ底にたまり、立野火口瀬から一気に10m/s以上の速さで吹き出します。風の中心部では20m/sになることもあり、午後9時ごろから吹き始め、夜明けごろまで続きます。火口瀬を吹き抜けた冷気は南北約30kmにわたる範囲に広がり、年間平均60日以上吹きます。
火山での風は、気温だけでなく火山灰とも関係して農作物に大きな被害を与えます。
偏西風帯にあることから年間を通して西寄りの風が吹いています。冬は北西風、春は西風、夏は南西風、秋は北東風が多く吹く。阿蘇の東部から南部にかけての地域では農作物への風の害は深刻です。

風祭り・風鎮際

山地での風は、気温とも相まって農作物に思わぬ大きな被害を与えることがあります。さらに阿蘇では中岳が中岳が火山灰(ヨナ)を降らすので風下に当たる地域では、その影響は深刻である。そこで風の害から農作物を守り五穀豊穣を祈願して風祭りや風鎮際が行われています。
風祭りは、一の宮町宮地の風宮社で、田植え前の旧暦4月4日と、秋の実り前の旧暦7月4日に行われ、2人の神主が二手に分かれて御幣で田の悪い風を北外輪山麓の手野風宮社の風穴に封じ込めるというものです。
風鎮際は、高森町高森の高森阿蘇神社で、8月17・18の両日行われます。各町内ごとに工夫を凝らせた造り物を引き回す山引きが有名で、別名「山引き」と言われています。

映像

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カテゴリ : 阿蘇の自然
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