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輪地切り

防火線づくり~

広大な草原を焼き払う野焼きは、極めて危険な作業です。燃え盛る炎は高温なうえに高速。
平均的な草原(枯れ草の残存料が10㌃当たり500㎏程度のススキ型草原)でも野焼き時の温度は摂氏600~800度に達し、延焼速度毎分0.2~8㍍になります。風向きや地形次第ではさらに延焼風速が増し(最大180㍍を記録)もしも火に巻き込まれたら逃げる間もなく命を落とす可能性が高くなります。
そこで大切になってくるのが、いかに安全に野焼きを行うかということである。牧野組合では実際に野焼きをする前に、まず防火線と呼ばれる無草地帯を確保、周囲への延焼を防いできました。この防火線づくりこそが、野焼きを行う上で最も重要で、つらい労働となっています。
防火線づくりは、野焼きをする前年の夏から秋に行われる。草原と森林などとの境にある草を幅6~10㍍刈り払うが、阿蘇ではこれを「輪地切り」という。その数日後に枯れた草を焼いて防火線をを完成させる。これを「輪地焼き」という。まだ暑い時期の、強い日差しのもとでの重労働。加えて、ほとんどの防火線が急斜面につくられるため、不安定な足場の悪さに作業は難航する。輪地切りには以前は大鎌、現在は刈払機が使われています。

参考

草原と人々の営み

カテゴリ : 生活
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