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更新日: 2012-02-10 (金) 11:22:44 (4431d)
阿蘇の温泉郷
阿蘇は水のふるさと。そして火の山を擁する阿蘇は温泉の宝庫です。
熊本県内の温泉総数の約4割を占める約550ヵ所の源泉があり、いたるところからとめどなく温泉が噴き出しています。
阿蘇の温泉地は、昔から近くの人も集まってくる湯治場として、または文人墨客の憩いの地として愛されてきました。
現在は温泉掘削技術も進み、新たな温泉も次々と開発され、温泉王国の名を欲しいままにしています。
温泉とは
日本では25度以上
地面の下から地下水が湧き出しているところを一般に「湧水」または「泉」と呼んでいます。このうち特別な成分を含んでいる水の場合には「鉱泉」といい、温度の高低によって「温泉」と「冷泉」とに区別しています。阿蘇では温泉ばかりですが、大分県の牧の戸峠を越えたくじゅうの「寒の地獄」は13度の冷泉で、温泉と併せて利用する客で賑わっています。なお、県内の冷泉としては宇城市三角町にある金桁鉱泉が有名です。ふつう鉱泉といえば冷泉を指すことが多い。
温泉の条件は「その土地の年平均気温より高い温度をもつ湧水」とされています。しかし、緯度が高くて寒い気候の札幌市では年平均気温が8.2度、南の暖かい気候の熊本市の年平均気温が16.2度であるから場所によっては温泉であったり、そうでなかったりするなどの不都合が生じる。そこで、日本では昭和23年に制定された温泉法で、温泉の標準温度を年平均温度よりやや高めであるが、実際におおかたの人が普通の地下水とは違って温かいと感じる温度の25度以上と決めています。
温泉の標準温度は国によっても異なります。緯度が高い欧米などは年平均気温が日本より低いこともあって、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアなどは20.0度、アメリカ合衆国では21.1度(華氏で70度)以上を温泉とし、日本より低めの設定になっています。この温度設定は、気温だけでなく入浴に関する習慣なども関係しているかもしれません。
温泉法では左に示したように「地中から湧出する温泉、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、湧出する温度が25度以上、または特定の物質を一定以上含んでいるものをいう」と決められています。これによると、温泉としては水温は絶対的な条件ではなく、例えば水温が25度以下と低くても、特定の溶解性分を一定以上含有していれば、法的には立派な温泉ということになります。
また、必ずしも温水でなくガス体でもよいことになっています。
地下水と熱源
温泉が存在するための条件は、まず、お湯になる水(地下水)が存在することです。次に、この水を温める熱源、この2つは必須条件で、これらの条件がうまく備わったところに温泉ができます。
まず、熱源の違いによる区分は、火山のマグマの熱によって地下水が温められてできる火山性温泉、地下深いところにある花崗岩の熱源に由来する花崗岩性温泉、それにその他・成因不明な温泉に区別されます。
これらの2つの温泉の泉質としては、火山性のものは一般に硫酸成分の多い酸性泉です。酸性泉は刺激が強く、また、抗菌作用があり皮膚病などに効果があります。しかし、強い酸性泉の場合、病弱者、高齢者などは利用を避けたほうがよいでしょう。一方、花崗岩性のものはナトリュウムや重炭酸の成分が多く、中性ないしアルカリ性の温泉である場合が多い。皮膚の表面を軟化させる作用とともに、皮膚の脂肪や分泌物を乳化して洗い流す作用があるために皮膚を滑らかにするといわれています。
県内の温泉を熱源による成因の違いで分けると、火山性温泉は新第三紀末~第四紀(今から数百万年前から現在)にかけて活動した火山のマグマによるもので、湯ノ谷・地獄・垂玉などは現在の阿蘇中央火口丘の火山活動に伴うもので、黒川・満願寺・岳の湯・奴留湯・杖立などが新第三紀の豊肥火山及び第四紀の九重火山の活動によるものです。さらに、人吉・水俣などの温泉も火山性であると考えられます。
また、玉名・山鹿・三加和などの温泉は、玉名市の北西にある小岱山の山地をつくっている白亜紀後期(今からおよそ七千万年前)の花崗岩の熱に由来する花崗岩性の温泉として区別できます。さらに、菊池・阿蘇(内牧)・宮地などの温泉も、小岱山の花崗岩と同時代の花崗岩性の温泉です。そのほか、新しく掘られた温泉には情報が未公開のため成因が分からない温泉も多い。
各地の温泉
阿蘇地域には、JR阿蘇駅前周辺の坊中温泉や小国郷の白川温泉、扇温泉、山川温泉、南阿蘇村の栃木原温泉、火の山温泉、白水温泉、俵山温泉など多くの温泉地があります。また、公共、民間の温泉施設も数多くあり、阿蘇では手軽に湯めぐりが楽しめます。
名称 | 市町村名 | 温泉名(旧泉質名 | 泉温(℃) |
内牧温泉 | 阿蘇市 | 単純温泉芒硝泉 | 44~47 |
赤水温泉 | 阿蘇市 | 単純温泉芒硝泉 | 25~31 |
坊中温泉 | 阿蘇市 | 硫酸・炭酸水素塩泉 | 58 |
乙姫さま温泉 | 阿蘇市 | マグネシウム硫酸塩泉 | 20 |
黒川温泉 | 南小国町 | 硫黄泉 | 73~93 |
満願寺温泉 | 南小国町 | 単純温泉 | 43.8 |
小田温泉 | 南小国町 | 単純温泉 | 63~80 |
田の原温泉 | 南小国町 | 弱食塩泉 | 75~76 |
扇温泉 | 南小国町 | 低張性アルカリ泉 | 65 |
白川温泉 | 南小国町 | 硫黄泉・塩化物泉・硫酸塩泉 | 62 |
杖立温泉 | 小国町 | 単純温泉食塩泉 | 97 |
岳の湯温泉 | 小国町 | 硫黄泉 | 70~90 |
はげの湯温泉 | 小国町 | 硫黄泉 | 85 |
山川温泉 | 小国町 | 硫化水素泉 | 53 |
奴留湯温泉 | 小国町 | 硫黄泉 | 38 |
寺尾野温泉 | 小国町 | 硫化水素泉 | 41 |
高森温泉 | 高森町 | アルカリ性単純温泉 | 41.5~42 |
月廻り温泉 | 高森町 | アルカリ性単純温泉 | 46 |
阿蘇白水温泉 | 南阿蘇村 | ナトリウム炭酸水素塩泉 | 58 |
久木野温泉 | 南阿蘇村 | ナトリウム硫酸塩泉 | 42.1 |
垂玉温泉 | 南阿蘇村 | 単純硫黄泉 | 52 |
地獄温泉 | 南阿蘇村 | 酸性硫黄泉 | 43 |
栃木温泉 | 南阿蘇村 | 芒硝泉 | 39~45 |
栃木原温泉 | 南阿蘇村 | 炭酸水素塩泉 | 42 |
湯田巻狩温泉 | 南阿蘇村 | マグネシウム、カルシウム、ナトリウム硫酸塩泉 | 40 |
御湯船温泉 | 産山村 | 弱アルカリ性・炭酸水素食塩泉 | 40 |
写真
参考
阿蘇の達人(阿蘇のでっかい自然)
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