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昆虫
更新日: 2014-08-18 (月) 16:29:34 (3532d)
概要
草原のほか低木林やまとまった森林もあり昆虫類は多く、これまでチョウの仲間109種、トンボの仲間35種、カミキリムシの仲間98種、コガネムシの仲間78種、コメツキムシの仲間43種、クワガタムシの仲間9種、ガの仲間約1000種が確認されています。草原性の昆虫類が多く、冷静な山地気候で九州での北方系寒地性の昆虫類の生息地として注目されています。
チョウの仲間は、九州では熊本県が最も豊富といわれ、128種が確認されており、そのうちの109種(85%)が阿蘇で発見されています。特にジャノメチョウの仲間は熊本県産全14種が知られており、スミレの仲間を食草とするヒョウモンチョウの仲間も多い。カシワやクヌギなどが多い林には、ギリシャ神話の西風の神ゼフィルスを学名にもつ青や緑の金属光沢がある空飛ぶ宝石ともいえるミドリシジミの仲間も多く、熊本県産17種のうち15種が知られています。また、国蝶のオオムラサキなどもみられます。
九州では、阿蘇・くじゅうに限って分布していて、この地域が分布の南限になっているものに北方系草原性のヒメシロチョウ、オオルリシジミ、ゴマシジミがあり、また、この地域が主産地で、ほかの地域では極めて稀なものにハヤシミドリシジミ、ホシミスジ、キマダラモドキ、クロヒカゲモドキなども生息しています。これらのチョウは、当地域では主に600~1000メートルの高さの範囲に生息していて、この程度の高さや煮た環境はほかに九州には何か所もありますが、なぜかそれらの地ではみられません。四国には九州よりも高い山もあり、北方系寒地性の昆虫類も九州より多いのですが、ヒメシロチョウ、オオルリシジミ、ゴマシジミ、ハヤシミドリシジミ、ヒメシジミの5種はみられません。同様のことはガの仲間にもみられ、キンイロエグリバは、どこでも普通にみられるコウモリカズラなどを食草にしていて北海道から関西まで分布し、四国や中国地方では見られませんが、それらの地を飛び越えて九州の阿蘇に分布しています。同様の分布をするガの仲間はほかにも7種ほど知られており、今後調査が進むと種類数はもっと多くなると考えられます。阿蘇の草原の植物相は朝鮮半島や中国東北部の植物相と深い関係にあり、昆虫類の分布からも同様のことが言えます。
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