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干し草小積み

概要

刈られた野草は2~3日間、天日で乾燥されたあと、稲手で結束します。その後、1つの草小積に積み上げられます。農家の人々は急傾斜地であろうとも、草小積を垂直に積み上げる技術をもっていました。草子積みの最上部には、干し草を雨から守るためにススキが広げられました。これを「トベガヤ」と呼びます。さらに、ススキを結んで作ったトベ(トビ)と呼ばれる屋根を被せ、風に飛ばされないようにトベ押さえの竹の輪で固定します。

効率

作業効率を向上させるためには、できるだけ朝早くから刈り取ることが大切でした。
草に朝露があるうちに大鎌で刈ると切れ味が良かったが、陽が昇って草が乾いてくると次第に切れにくくなるからです。

当時の様子

一の宮町中通の井出馬守夫氏は「干し草刈りのときは朝3~4時に起きていた。人並みに起きんと人に笑われよった。家ごとの草の切りくらい(競争)だった」と、若いころのがまだしぶりを話す。また、旧一の宮町坂梨の古木こま子さんは、「戦時中は主人が軍隊にとられ、3児を養育しながら姑さんと干し草刈りをしていた。毎朝早くから出掛けていたが、とくに坂梨の願成就坂を登る日は大変。宮地駅6時発波野行きの汽車が外輪山の願成就坂トンネルで汽笛を鳴らす時刻には、既に坂を登り切っておかなければいけなかった」と、当時の作業の厳しさを語っています。


カテゴリ : 生活
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