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ボタモチ(民話)

民話

ボタモチ

 むかしむかし、或る所に、欲張りおばあさんがおりました。

とても欲張りで、お嫁さんに何も上げませんでした。

みんなから、欲張りばあさんと言われていました。

或る日、親戚の家へ法事にいかねば成りませんでした。

其の朝、近所の人かうボタモチを貰っていました。

大分隠し場所を探しましたが見当らず、おばあさんは重箱のボタモチに言い聞かせをしておきました。

「ボタモチよ、ボタモチよ、嫁来たならタンナになれよ。」

と云って出掛けました。

其れを次の部屋のお嫁さんが聞いていました。

ようし何時もおばあさんに意地悪されているから、今日は仕返しをしてやろうと思い、重箱のボタモチを全部食べてしまいタンナを二三匹入れて置きました。

やがておばあさんが帰ってきました。

そして、重箱を開けると、カエルが飛び出しました。

おばあさんは、びっくりして、

「嫁では無いぞえ、ばばぞえ、ばばぞえ。」と云いそれから良いおばさんに成りました。

モシモシ 米んだご早よ食わにやすえる。

※注 タンナ…蛙のこと。熊本市ではタンギャクなどという

参考

くらしのあゆみ 一の宮 -一の宮町 伝統文化研究会-
小野トキエ氏から聞く 採話場所 小野トキエ氏宅 採話年月日 平成7年10月27日 話者 小野トキエ氏 採話 浜津百合子 井英子


カテゴリ : 文化・歴史
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